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2002年5月1日          医療マネジメント学会News Letter            第8号(8)
第2回茨城県地方会学術集会報告
学術集会会長:筑波記念病院副院長 松島 照彦


特別講演


 第2回医療マネジメント学会茨城県地方会学術集会を平成14年3月2日(土)、つくば国際会議場で開催しました。今回は、リスクマネジメントも課題に加え、「クリティカルパスの導入・展開とリスクマネジメントの実際」をテーマとして、特別講演1題、一般演題14施設32演題、クリティカルパス展示18施設78題が発表され、県内外から524名の参加がありました。特別講演には、国内におけるリスクマネジメントの草分け的存在である大阪府八尾総合病院の医療法人医真会理事長森功先生を迎え、「日本の医療事故の源泉と現実的対応〜欧米に学ぶMedical Error Resorce Control Systemと裁判外処理法」と題し、リスクマネジメントへの組織的取り組み、インシデントレポートの活用と、その改善結果を評価することの重要性についてお話しを頂きました。医療はそもそも治療を目的とした傷害行為であり、それを一般の傷害事件と同列で裁判において論じること自体が間違っていると言うお話しも印象的でした。
 一般演題のクリティカルパス・セッションでは、導入、記録、バリアンス解析、応用、経済効果が論じられ、リスクマネジメント・セッションでは、事故要因の分析、事故防止システム、事故防止対策が発表されました。会場は口演2会場、クリティカルパス展示1会場の3会場で行われ、参加者が多かったため、特別講演は3会場スクリーン同時中継、一般演題も展示会場でのTV同時中継を行いましたが、どの会場も満席で、リスクマネジメントの会場は立ち見が出る状態となり、医療機関の関心の高さと切実さが窺われました。会の最後のセッションであるクリティカルパスの展示会場では各施設毎に自由討論を行い、前立腺の手術で術後1週間の入院は長すぎるか、等と議論が白熱し、活気のある中に、地方会を終了しました。
 第3回茨城県地方会は茨城県立中央病院の主幹で、平成14年11月9日(土)の開催予定となっています。今後は、感染制御、大規模災害などもテーマに加えていきたいと思っています。また、可能であれば、東京で行われている病診連携セミナー、リスクマネジメントセミナーなども誘致して(若しくは企画して)開催していきたいと思います。


展示会場
第1回神奈川地方会報告
   会長:国立相模原病院長 高橋 俊毅

 第1回の地方会を平成14年3月9日(土)、相模原市南メヂカルセンター大会議室で開催いたしました。昨年秋の理事長のご示唆を受けての企画のため、急遽確保した会場で収容人数が少なく広報、宣伝を控えたのですが県下40施設のいろんな職種から350名以上の応募があり椅子を詰めてご要望を満たすことができました。
 当日の内容はクリティカルパスとリスクマネジメントという組み合わせで、特別講演2題、一般演題8題、パスの展示8題でした。特別講演を最初と最後に配し、まず武藤正樹国立長野病院副院長から「21世紀のクリティカルパス〜10のコンセプト〜」としてのご講演をいただきました。


会場風景


 次いで県下各施設のパスの閲覧と自由討議、関係図書の展示を行いました。さらに一般演題の口演と討議を行い各施設から質疑が活発に行われました。最後に杏林大学保健学部の川村治子教授の「リスクマネジメントからみた医療事故防止の考え方〜多数の事例の分析から学ぶ与薬と転倒転落事故防止〜」のご講演をしていただきました。
 各講演後の質問も多く盛況で活発な会ができ第1回の世話人の責が果たせたと喜んでいます。やはり医療マネジメント学会の目指す方向が現在の医療の世界では必要欠くべからざるものとして関心が高いことを再認識しました。
 この地方会では今年度の京都の学術総会への参加を会場の皆様に呼びかけましたが地方会を契機として神奈川の芽が大きく育つことを願っています。来年度は大和市立病院院長大宮東生先生が世話人で開催することが決まっています。
 第2回までには時間的余裕もありますので会場や内容についてもじっくり企画を練ってやっていただけそうです。今回の開催に際しましては宮崎理事長はじめ多くの方々のご協力を賜りました。また、当院職員の協力も忘れられません。心より感謝いたします。


会場風景