第1回栃木地方会設立大会報告 会長:国立栃木病院長 長谷川 壽彦
平成14年夏医療マネジメント学会栃木地方会(地方会)設立を目的とし、基本になる栃木県会員を調べたところ13名であり、地方会としては会員確保から考えなければなりませんでした。幸いなことに本学会評議員が3名おり、事務局と設立準備について事前の相談を行い、設立大会はクリティカルパス(CP)を中心に行うこととし、県内でCPを導入している施設の情報収集から始めました。会員募集については医師会、病院協会や看護協会など県内各種医療団体宛に行いました。CP導入施設や各種団体の代表を中心に地方会設立準備会を発足させ、10月末に設立大会の日程、プログラム、会則(案)および役員(案)を準備会で決定しました。設立大会特別講演として開原成允先生と武藤正樹先生の講演を予定し、CPに取り組んでいる6施設の代表による「CP導入での諸問題」をテーマにパネルディスカッションの実施と公募によるCPの実例展示を行うこととしました。この決定に従い事務局担当が調整し、平成14年2月初旬に当初計画通りにプログラムを完成させました。
設立大会の開原先生と武藤先生の講演は、ITと病院経営、21世紀のCPで、この分野で相対的に遅れている本県にとって有意義でした。パネルディスカッションはそれぞれが熱心に取り組んでいるが、本県でのCP導入は発展途上との印象で、地方会としても発展のための方策を考えて行かなければならないと思えました。また展示されたCP実例についてもCPとして不完全な事例も見られ、改善に向けての今後の取り組みにつき意見交換が盛んに行われていました。設立大会までに登録した地方会会員は161名であり、参加者数を心配しましたが、240用意した椅子席が満員になり予想を上回りました。
会場風景
第2回大分地方会報告 世話人:国立大分病院副院長 室 豊吉
平成14年2月23日(土)に、第2回医療マネジメント学会大分地方会を開催いたしました。第1回の平成13年2月24日から丸一年を経過したこの日、昨年と同じく大分市のコンパルホールで開催したところ、大分県内各地より、今回も、第1回に劣らぬ200名あまりの参加を数えました。
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会場風景
今回は、サブタイトルを「患者の安全確保とリスクマネジメント」としました。当院の野田院長の開会挨拶に引き続きまして、「患者安全から質の向上へ」と題して国立医療・病院管理研究所 医療政策研究部 主任研究官 相馬孝博先生に、大分県立看護科学大学助教授 山内豊明先生の座長のもと、特別講演をしていただきました。相馬先生のご講演は、最近まで臨床の心臓外科医でしたので、実際の体験をもとに分かりやすく示唆に富むものでした。次に国立別府病院の石橋富貴子看護師長(当時は看護婦長)の座長のもと、一般演題として、大分県立病院、大分市医師会立アルメイダ病院、大分赤十字病院、国立別府病院、そして国立大分病院より、サブタイトルにふさわしい5題の演題発表がありました。
次に大分赤十字病院副院長 甲斐秀信先生のご司会で、「医療事故防止対策を巡る諸問題」と題したシンポジウムが行われました。看護部を代表して、大分赤十字病院 竹中愛子看護副部長に、薬剤部を代表して、国立療養所西別府病院 中島弘二薬剤科長に、医師を代表して、国立大分病院 穴井秀明外科医長に、それぞれ各部門ごとの問題点やその対策などを発表していただいた後、特別講演の相馬孝博先生にもコメンテーターとして加わっていただき、医療事故防止にあたっての、活発な討論が交わされました。甲斐先生の素晴らしいご司会で、非常に盛り上がった、各医療機関の今後の参考となる内容の多い充実したシンポジウムでした。
最後に筆者が挨拶し、閉会となりました。時間制限のため、フロアーを交えた十分な討論が出来ませんでしたことを、特に本シンポジウムの設定や運営などで、各シンポジストの先生方にご迷惑をおかけしましたことと合わせ、お詫びいたします。
今回も、前述しましたように、時間が限られてはいましたが、各医療機関のリスクマネジメントへの積極的な取り組みがひしひしと感じられ、より患者様中心の医療に向かわなければならないことを、そして向かっていることを痛感しました。
今後とも医療に携わる各部門、より多くの参加により、この大分地方会が継続され、大分の地域医療に少しでも貢献できるように祈念し、そして世話人の皆様はじめ関係各位のご尽力に感謝し、レポートとさせていただきます。
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