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2002年5月1日          医療マネジメント学会News Letter            第8号(4)
セミナー開催報告
クリティカルパスセミナー報告
京都第一赤十字病院長 岡 隆宏
 去る1月19日、京都JA会館で"クリティカルパス(以下CPと略)の導入と展開"と題するセミナーを盛会裡に開催することができました。多くの職員の皆様のご協力とご支援をいただき有り難うございました。このセミナーは来る6月28日、29日に京都会館などで本院が主催する第4回医療マネジメント学会学術総会の分科会的な位置づけであり、全国各地から約400名の参加者がありました。当初は参加者定員を250名としていました。これは机を並べたいわゆるスクール形式の会場設営ではこの定員数が限度であったからです。結果的には予想以上に参加申し込みが多かったことから、机を除去して全員を受け入れることとしました。このため参加の皆様にはずいぶん窮屈な思いをさせたことを大変申し訳なく思っております。 医療を取り巻く環境がますます厳しくなっている現在、効率的な病院運営と安全で安心できる医療の実践が重要です。このセミナーのサブタイトルが"21世紀の病院必須ツール"とありますように、CPは医療マネージメントの大きな柱のひとつであります。CPの日本語の意味は"標準的入院診療計画"となります。その適用は在院日数の短縮だけではなく、医療事務の簡潔化と定額払い制への布石、チーム医療の強化、オーダーミスの回避、患者さんに判りやすい医療など、入院診療上さまざまなメリットがあります。今回のセミナーでは


会場風景

会場風景

CP導入方法の実際から医療連携上の必要性まで、この領域の第一人者である4名の講師によるup-to-dateな講演がありました。参加者の職種はさまざまでしたが、質疑応答も活発で、CPへの関心の高さを感じました。
 昨年11月に決定された政府の"医療制度改革大綱" の主要なポイントのひとつに、"質の高い効率的な医療提供体制"があります。そのための方策として、EBMに基づく標準的診療ガイドラインの作成、があげられました。まさにCPはこの目的に沿うもので、従来、各医療機関で個別に行われてきたCPが、制度として定着することになるかもしれません。さらに、今後の診療報酬改定で、CPが保険収載されることも期待されます。
 本院はCPへの取り組みが早く、それが活発に機能している全国でも有数の施設であるといえます。しかも、供給系を取り込んでいること、絵文字を使用していること、という特徴があります。現在、各病棟で54種類のCPが使用されていますが、セミナーの講演でも話がありましたように、CPの適用範囲はどんどん広がっています。本院でもCPの一層の活性化とともにその種類を増やしていかねばなりません。今回のセミナーと六月の医療マネジメント学会の開催がそれに向けてのインパクトになることを願っております。
      (京都第一赤十字病院院内報より)
プログラム
○日 時 平成14年1月19日(土) 13:00〜17:0014:40〜14:50  質疑応答
○場 所 京都JA会館501会議室
      京都市南区東九条西山王町1番地

14:50〜15:10  休 憩

15:10〜15:50 
  13:00 開会 あいさつ
     京都第一赤十字病院 院長 岡 隆宏
 講演B 「クリティカルパスで築くチーム医療」
 京都第一赤十字病院 脳神経外科部長 垣田清人
  13:10〜13:5015:50〜16:00  質疑応答
    講演@「21世紀の医療とクリティカルパス」16:00〜16:40 
        国立長野病院副院長 武藤正樹 講演C 「医療連携におけるクリティカルパスの必要性について」
  13:50〜14:00  質疑応答 国立熊本病院 整形外科医長 野村一俊
  14:00〜14:40 16:40〜16:50  質疑応答
    講演A「クリティカルパス導入成功のコツ」16:50  閉会
   NTT東日本関東病院看護婦長 依田安代