シンポジウム
11時から市民公開講座を兼ねた特別講演U、慶應義塾大学飯野教授の講演が開始されました。テーマが少子高齢化と年金ということであったため市民の関心は高く、講演が終わった後も舞台から降りられた先生に熱心に質問する聴衆の姿がみられました。
午後の部は13時からの総会で開始されましたが、13時30分から夏樹静子氏の招待講演が予定されていたため、総会開始時から第1会場が70%程度埋まるという異常現象が起こりました。夏樹氏の講演では2,200人収容の会場が満杯の盛況になりました。
学会のもうひとつの目玉であった特別パネルディスカッション「わかり易い人事が病院を変える」は、最後のプログラムであったので聴衆の入りを少し心配していましたが、これもまったくの杞憂に終わり、1,000名収容の第2会場がほぼ満杯となりました。医師の人事考課といういままでどの学会でも取り上げることのなかったテーマが興味を呼んだのであろう。
講演会場の外では機器展示や書籍販売が行われました。展示の一番人気が足マッサージ器であったのは意外でしたが、最も売れた書籍は夏樹静子氏の著作であったのは予想通りでありました。
2日間の会期中ボランティアとして会の運営に当たっていただいた職員の総数は延べ214名(うち看護学校の学生さん80名)にのぼりました。多くの人達の熱意と善意によって支えられた学会でありました。
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学術総会会長賞を受賞して
筑波大学 大学院人間総合科学研究科
臨床医学系外科講師 酒井光昭
この度、学術総会会長賞をいただき身に余る光栄です。共著者を代表して御礼申し上げます。
われわれの研究は肺癌手術目的というシンプルな入院形態を対象にして、診断群分類別包括評価とクリティカルパスの同時導入が周術期管理にもたらす利点と問題点を提示しました。
思えばこの仕事に取り組み始めた時、関係者全員が恥ずかしながら「クリティカルパスとは何ですか?」というレベルでした。当院はクリティカルパス後進病院で、既存の日別紙オーダリング法に固執する部門があり、巨大組織ゆえの各方面への調整の困難さも加わり、クリティカルパス導入には大きな壁がありました。われわれは地道に本学会のセミナーや地方会から基礎知識を学び、過去の膨大な診療データを検証し、立案制作及び試験運用に2年を費やして、やっと当科オリジナルDPC対応型オールインワンパスを完成させました。徐々に院内の理解者も増えて大きな力が生まれ、ついに病院の認可を受け正式運用まで漕ぎつけたのです。全く知識経験ゼロからのスタートであったわれわれにとって、今回の受賞は自分達の努力を褒められたようで大変嬉しく感慨深いものです。
当科の周術期管理は本研究を境に大きく変わりました。しかし新たな問題も発生しています。今後も外科医の立場から医療マネジメントに関して学会に貢献できるような仕事を継続していきたいと考えております。
名誉ある賞をいただきありがとうございました。
学術総会会長賞表彰式
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