第8回 日本医療マネジメント学会 学術総会会長 高橋 俊毅 (国立病院機構 横浜医療センター院長)
2006年6月16日(金)、17日(土)の2日間にわたり第8回日本医療マネジメント学会学術総会を、横浜市において開催
させていただくことになりました。本学会はクリティカルパス研究会から発展し、クリティカルパスだけでなく、医療の安全管理、医療連携やチーム医療、診療録管理や機能評価、医療の効率化と質、医療訴訟や個人情報保護、ITからNST、ICTさらには卒後教育や人事考課までにと日本の医療界に要求される課題に次々に取り組み、多くの成果を生み、会員数も4,600名を越えるまでに発展してきております。
基本となるクリティカルパスも従来からの有用性ばかりでなく、今回の診療報酬改定で適応病院の拡大が決まり身近となったDPC時代でも一段と重要となり、更なる開発の成果が期待されています。2006年は少子高齢化社会と厳しい財政状況のもとで介護保険(3年)と医療保険(2年)の双方の大改訂時期にあたり、今後の日本の医療界の方向性が規定される重要な年となると考えられます。
第8回日本医療マネジメント学会学術総会では、改めて基本に戻り、「医療の安全と質」をメインテーマとし、サブテーマを「医療・介護提供体制の改革をめぐって」としてこれまでの課題に加えて、この時期に介護を含む医療界に求められる課題を広く取り上げたいと考えました。
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まず、改革を推進されておられる厚生労働省松谷有希雄医政局長に「医療改革の方向性について」として、今後の医療のすすむべき道筋について特別講演をしていただきます。
また、萩谷順氏にはジャーナリストの視点からの医療界への提言をお願いし、「レモンちゃん」こと作家の落合恵子さんには、お母様の介護を通じての経験から介護や医療に携わる多くの人へのメッセージをいただきます。さらに、教育講演として「医療の安全と質」について、オピニオンリーダーである橋本廸生先生と長谷川敏彦先生に、今、何が問題で、今後どうすすむべきかについての提言をお願いしております。医療界に求められながら達成が困難な「改革」の面で目覚しいリーダーシップを発揮し成果を上げている地元の中田宏市長に招待講演として「横浜市の改革」について熱く語っていただきます。特別パネルディスカッションは「地域連携クリティカルパスに焦点を当てた医療連携」と「SPDなど病院マネジメントと医療材料」を組みました。シンポジウムにはDPC時代に益々重要となった診療録管理やNSTはじめ重要性が再認識されてきた栄養関連と日夜地域で苦闘されておられる自治体関係者をはじめとする医療と介護との連携などを取り上げました。会員の方は勿論のこと医療現場の多くの方々に参加していただき、基本となるクリティカルパスをはじめ、あらゆる分野での提案や成果を発表討論していただくことで、厳しい時代の中でも、「医療の安全と質」を確保する原動力が生まれることを切に願っています。
会場となるパシフィコ横浜周辺はじめ横浜市は開港150周年をひかえ、渋谷から直通のみなとみらい線が開通し、元町、馬車道、山下公園や中華街などもリニューアルされ、活気のある魅力的な街となってきています。学会と共に皆様にはくつろぎ、楽しんでいただけるものと思いますので多くの演題応募とご参加をお願い申し上げます。
・会期:2006年6月16日(金)・17日(土)
・会場:横浜市みなとみらい パシフィコ横浜・国立大ホール
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