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2003年5月1日          医療マネジメント学会News Letter            第12号(6)
第2回香川地方会報告
   会長:三豊総合病院泌尿器科部長 陶山文三

 平成15年3月1日(土)に観音寺グランドホテルにて医療マネジメント学会第2回香川地方会を開催致しました。学会は一般演題14題、および特別講演として黒部市民病院整形外科医長、今田光一先生をお招きして、「オールインワンパスの効率化−パス作成のコンセプトと電子化への展望―」について御講演頂きました。昨年と比べますと、一般演題の傾向といたしましては、クリティカルパスについての演題数が7題と減少し、リスクマネジメントおよび院内感染対策についての演題が7題に増加いたしました。これはリスクマネジメントや院内感染対策は言うに及ばず、褥創対策、NSTといった院内横断組織の充実が求められる現在、各病院において院内横断組織の充実が着実に浸透してきたためと考えられます。1例では、坂出市立病院の感染制御チームの発表にありましたように、電子カルテを駆使して抗生剤の届け出制を確立し院内感染対策を充実させている例は今後の方向を示唆するものと考えられました。またクリティカルパスにおいても、化学療法(香川労災病院)といったきめ細かいパスが作成される傾向や、バリアンス(香川医大)の分析、評価に進んでいく傾向がみられ、クリティカルパスも第二世代、第三世代へ進んでいる現状が実感されました。
 今田光一先生の特別講演では、業務改善や質向上におけるオールインワンパス作成の重要性について、更にオールインワンパスを電子カルテに組み込むことにより一層医療の充実が図られることをお話頂きました。県内西端での開催でしたが、盛会となりました。関係の皆様方、ご参加頂いた方々に心から感謝し、御礼申し上げます。
 次回は平成16年3月に高松市で県立中央病院、桑島 実副院長の担当で行われる予定です。

第2回神奈川地方会報告
     当番世話人:大和市立病院長 大宮東生

 第2回神奈川地方会は平成15年3月8日(土)13:00-18:00に大和市生涯学習センターで行われました。
 一般演題は15題で、クリティカルパス関連5題、医療連携等4題、安全管理関係6題と各分野にわたりました。活発な討論があり多少予定時間をオーバーしました。
 クリティカルパス展示は19題あり、疾患の分野ごとに4-5題を1グループにして、4グループ並列で発表と討論を行いました。
 特別講演にはNTT東日本関東病院の小西敏郎副院長をお招きして「電子カルテとクリティカルパスで実現する安全で効率的な医療」という題で約1時間お話を頂きました。
参加者は381人で昨年の第1回地方会より多少多くなりました。
 なお、第3回神奈川地方会は、宮澤直人平塚市民病院院長が当番世話人となって、平成16年3月13日(土)午後に、平塚市中央公民館(平塚市追分1-20)で行う予定です。内容は未定で、詳細のご案内は追って行なわれます。


会場風景

第3回東京地方会学術集会報告
第3回学術集会会長:都立豊島病院長 関口令安
 文責:東京地方会会長(東京都老人医療センター)熊川寿郎

 2003年3月15日(土)に東京都立豊島病院において第3回医療マネジメント学会東京地方会学術集会が開催されました(会長:豊島病院院長関口令安先生)。
 今回のメインテーマは「クリティカルパスの活用とその効果:経済性・安全性・満足度」であり、プログラムは@一般口演発表8題、Aポスターセッション24題、B86種類のクリティカルパスの展示、CNTT東日本関東病院の小西敏郎先生、武蔵野赤十字病院の日下隼人先生、北里大学病院の田中彰子先生によるシンポジウム、D東京都老人センターの熊川寿郎による教育講演「バランスト・スコアカードを活用した病院マネジメント」により構成されました。学術集会参加者は300名を越え、各会場における質議応答も大変活発でした。開会式から閉会式までほとんど参加人数が変わらず、準備された会場には人があふれていましたが、豊島病院職員のご協力により学術集会は大変円滑に運営されました。

第1回山口地方会報告
会長:済生会山口湯田総合医療福祉センター総長
                   藤井英雄
文責:済生会山口総合病院副院長 湧田幸雄

 医療マネジメント学会の第1回山口地方会は、平成14年3月15日(土)、山口市において開催いたしました。クリティカルパスに関する研究会は県下では初めてでした。
 特別講演として医療マネジメント学会理事長、国立熊本病院長宮崎久義先生においでいただき、「クリティカルパスそして医療連携」と題してご講演いただきました。学会発足の経緯、現在の活動、クリティカルパスの実際の運用、医療連携との関わりについてわかりやすいお話を聞かせて頂きました。
 当初から山口地方会は出来るだけ広い範囲の職種に参加して頂こうと計画しておりましたが、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師、介護 士、栄養士、調理師など幅広い職種から238名の参加をいただきました。
 一般演題は、19題のご発表があり、クリティカルパスに関するもの7題の他、医療安全、チーム医療、医療連携、危機管理、院内感染、褥創対策と多岐にわたっておりました。パスの導入は病院間に格差が大きくこの会を契機に活発に展開されていくことが期待されます。昨年の診療報酬の改訂の影響か医療安全はパスと同程度に関心が高く、病院トップが自らご発表になったり、薬剤部や臨床検査技師の積極的な取り組みが印象に残りました。
 今回は、日程の都合でクリティカルパス展示に質疑の時間がとれなかったことが残念な点でした。次回は、山口労災病院長伊藤治英先生の担当で開催されることになっています。

第5回熊本地方会報告
  当番世話人:NTT西日本九州病院長 伊勢紘平
  文責:国立療養所壱岐病院長 木村圭志

 第5回医療マネジメント学会熊本地方会は平成15年3月15日(土)にNTT西日本九州病院伊勢紘平院長のお世話でメルパルク熊本を会場にして開催されました。今回はクリティカルパス導入及び運用後の問題点と医療安全管理への取り組みがメインテーマでした。
 一般演題12題と特別講演として「医療安全管理体制への取り組み」と題する国立療養所南九州病院福永秀敏院長の講演がなされました。注目されたのは一般演題12題中4題が私的病院からの発表で、しかも内容も入念に考察されたものでした。全体的にレベルが上昇し、殊に医療安全管理の面では転倒防止策、ガーゼカウンターの問題点、薬剤選択ミス防止、ICTの活動紹介等について熱心に討議されました。