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2003年3月1日          医療マネジメント学会News Letter            第11号(4)
地方会開催報告
第1回九州連合大会報告
会長:国立病院九州医療センター副院長 吉田晃治

 2002年11月9日(土)本院にて、九州7県及び沖縄・山口県を含めて「医療の転換期を迎えて」と題し、医療マネジメント学会九州連合大会を開催致しました。
 学会は特別講演を横浜市大医療安全管理学教授 橋本廸生先生に「医療の質と安全を考える―組織的管理―」と題し最前線のお話しを、理事長講演は宮崎久義先生に「最近の活動から―クリティカルパスを中心に―」と題し、本学会の主旨、発展経緯、医療マネジメント全般にわたる幅広い活動状況を、シンポジウムは「クリティカルパス導入から応用まで―九州各県の現状―」と題し、現状と今後の向上・充実のためのディスカッション、さらに一般演題43題、クリティカルパス展示57題、さらにランチョンセミナーは「生き生き職場と顧客満足を目指して」と題し大変印象に残るお話しを、最後に会長講演は「DRG/PPS試行病院におけるCPの役割」と題し試行の現状と新しい日本版診断群分類(DPC)について講演致しました。手作りの会でしたが約550名の参加をいただき盛会の中開催することができ会員の皆様始め御参加いただいた方々へ心から感謝し、御礼申し上げます。


会場風景

第1回長野地方会報告
     会長:国立長野病院副院長 武藤正樹

 医療マネジメント学会第1回長野地方会が平成14年12月14日に、国立長野病院地域医療研修センターで130名の参加者を得て開かれました。 基調講演としては昭和大学病院の市川幾恵看護副部長が「昭和大学病院におけるクリティカルパスの導入の実際」と題して講演されました。平成15年からの特定機能病院におけるDPC(疾病別包括払い)の導入もあって、今、大学病院ではクリテイカルパス導入が急がれています。この医療改革期において大学病院もその例外ではありえないといえます。
 シンポジウムやパネル展示討論では長野県内の各病院から、医師、看護師、栄養士など多職種による発表が行われました。


会場風景

その中で印象にのこったのは、電子カルテの普及が長野県内でもすでに始まっていて、いまや電子カルテに実装されたクリテイカルパスが順調に稼動しているという点です。相澤病院の大森敏弘一般外科統括医長によると、相澤病院では電子パスは医師の入力負担を減らすことから、医師にもうけいれられていまや院内ではパスは必須ツールであるとのことです。また、国保軽井沢病院の宮尾陽一院長によると、ターミナルケアでさえも電子カルテ上に展開するカレンダー形式のパス画面で運用が可能ということです。 そのほか、パス形式としてオールインワンパス(医師・看護記録、指示票、患者説明書など包括したパス)を推奨する病院の発表が多くありました。パスによる業務改善がなければパスは普及しません。この意味でもオールインワンパスは業務付加を軽減してくれるツールだと考えられます。またオールインワンパスは電子化してこそ、威力を発揮するという会場の意見が多くありました。  このほか、エビデンスに基く医療看護の具体的な提案や、パスの様式や用語の標準化等についての検討がなされました。 1998年ごろから始まった長野県内の一部の病院からクリテイカルパスの導入ですが、いまや県内全域に広がりをみせ、また電子化とリンクして新たなフェーズに入っていると地方会を通じ て感じた次第です。  次回の第2回長野地方会は平成15年5月24日に松本市で慈泉会相澤病院の担当により行われる予定です。

会場風景