(第1回セミナー)   (第2回セミナー、茨城地方会)   (熊本地方会、東京地方会)   (分科会、長崎地方会など)
   2001年1月1日            医療マネジメント学会News Letter            第2号(2)
第2回医療連携セミナ−開催報告

 さる平成12年12月2日国立医療・病院管理研究所 (東京都新宿区戸山) において、 医療マネジメント学会 (理事長 国立熊本病院長 宮崎久義) 主催の 「第2回医療連携セミナー」 が開催されました。
 基調講演として、 国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長長谷川敏彦氏による 「病院の戦略的マーケティングとCRM経営戦略」 が行われた後、 事例報告として 「急性期特定病院加算を取得して」 (国立熊本病院長 宮崎久義氏)、 「地域連携からみた急性期病院加算取得162病院の分析」 (国立長野病院副院長 武藤正樹氏)、 「病診連携支援システムに関する検討」 (富士通 細野正志氏) 「情報技術 (IT) を利用した病診連携」 (国立国際医療センター情報システム部長 秋山昌範氏)、 総括発言として東京医科歯科大学大学院教授 河原和夫氏の報告がありました。

▲長谷川敏彦部長

 長谷川敏彦部長は施設間同士の連携の前に 「院内連携の構築」 の重要性を指摘しました。 そのうえで 「院内連携のツールであるパスが、 院外との連携でも求められる」 と強調しました。 さらに、 医療マーケティングが従来の市場を把握するためのものから患者個々に視点をあて、 患者との関係などを含めた顧客の需要を把握する時代に変化していると述べました。
 秋山昌範部長は新宿区医師会と動かしている患者のための 「ゆーねっと」 を紹介し、 リスクマネジメ
ントを支援する新世代の病院情報システムとして医療行為の発生時点情報管理(POAS)システムを開発中であると述べました。そのなかで、 従来のシステムでは実現できなかったすべての医療行為を正しく記録として残す病院情報システムを作り、本当の意味での疾病管理スタンダードの構築が期待できること、 そこで医療連携に対する理念とそれを支えるシステムが完成することにより、 広域医療機能連携が大きく推進していくとの意見を述べました。

▲秋山昌範部長

 第1回の医療連携セミナーに引き続き、 今回も定員を大幅に上回る230名の参加があり、 熱心な討議が繰り広げられました。 次回の第3回医療連携セミナーは平成13年3月もしくは4月に国立医療・病院管理研究所で開催される予定です。

▲会場風景

第1回茨城県地方会開催レポート 会長:(株)日立製作所 日立総合病院 院長 岡 裕爾

 全国に先立って第1回医療マネジメント学会茨城県地方会が開催されました.その顛末を報告します.
 平成12年8月頃からパスなどに活発に取り組んでいる主だった県内の病院の方々に声をかけて,7病院から13名の方々にお集まりいただき9月6日に幹事会を開催しました.まず,規約の検討から始まり,地方会の運営と学術集会の詳細について議論したあと,いろいろな情報交換を行い,結局,事務局は筆者の病院がお引き受けすることとなりました.

▲受付準備風景

 医師,看護婦が出席する全国的な大きな学会や研修会を避けて選ばれた11月18日(土)の午後1時過ぎから,水戸市の常陽藝文会館 藝文ホールで97名の参加者を擁して第1回地方会が開かれました.
 筆者の開会挨拶から始まり,計16題もの多くの一般演題について県西総合病院上野敏子総婦長,つくばセントラル病院青木壽代副看護部長,筑波記念病院柏木とき江看護部長,当院副総婦長篠崎はつえの方々に座長として司会,進行していただき,とても
共感的で,かつ,活発な質問と討論が繰り広げられました.
 特別講演として筑波記念病院副院長松島照彦先生に「医師が取り組むクリティカルパス −意義と導入−」と題してのご講演をいただき,理論的な原則から現実に即した具体的な取り組み方法やその"こつ"など,パスについてとても多くを学ぶことができました.最後に当院金子美智子副総婦長により閉会の辞が述べられ,無事閉会となりました.
 今回の茨城県地方会については,会場玄関の立て看板と舞台上の横断パネルを業者に依頼したほかは,すべて当院の職員と関係者の手作り品と手弁当によるボランティア活動によって準備・運営されました.当日の会場では,開会前のときには準備不足のところが見えてきて小走りに動く職員の姿もありましたが,その後は順調に進行がはかれて,会の中盤に設けられたコーヒーブレイクのときには,とても和気藹々の雰囲気で,多方面の意見交換ができたのではないかと思われます.最後に,幹事をはじめとして多くの方々からお寄せいただいたご尽力に,この稿をお借りして感謝を申し上げます.いずれにしても,この地方会を継続させて,県内の医療従事者がより多く集まり,より多くの問題に討議をする場として活用され,医療の質の向上につながる活動にしたいと考えます.

▲討論風景