(第4回学会案内)    (セミナー報告)    (セミナー案内)    (地方会案内)
   2001年11月1日          医療マネジメント学会News Letter            第6号(3)
セミナー開催報告
第1回リスクマネジメントセミナー開催報告
−患者の安全確保をめざして−
国立長野病院 副院長 武藤正樹
 平成13年10月20日(土)に、東京都心の都市センターホテルで第1回のリスクマネジメントセミナーが開かれた。昨今のリスクマネジメントへの関心の高まりから会場には400名近い参加者が詰め掛けて終始熱心な討議が行われた。

講演風景

基調講演にはこの4月から厚生労働省医政局に新設された医療安全推進室の新木一弘室長より厚生労働省の取り組みが紹介された。つぎに国立医療・病院管理研究所の長谷川敏彦部長より事後的なダメイジコントロールであるリスクマネジメントから、事前の予防的な安全管理を主体としたセイフテイマネジメントへと発想を変えなければならないことや、米国をはじめとした先進各国での医療安全に関する取り組みの紹介がなされた。 つぎに各分野からの発表がおこなわれた。武蔵野赤十字病院の三宅副院長は医師の勤務体制の改善が事故防止には必要なこと、金沢大学付属病院の古川副薬剤科長はフットワークかるく薬剤部が院内の現場をまわることが必要なこと、愛仁会高槻病院の内藤副院長は看護の立場から事故防止には病院トップのリーダーシップが重要なこと、国立長野病院の武藤よりは厚生労働省が進めているインシデント報告入

パネル討論風景

力システムの紹介、練馬総合病院の飯田院長からはFMEAなどの分析手法の実際例が提示、九州大学の鮎沢助教授からはリスクマネージャーの研修の実際、三宅坂総合法律事務所の児玉弁護士からは警察通報に関する問題点等が指摘された。 その後のパネル討論ではフロアーを含めて熱心な討議がなされた。来年度には厚生労働省から医療安全に関するグランドデザインが公表される予定である。本セミナーはその発表にあわせて来年度早々にも第2回を計画しているところだ。


質疑風景
プログラム
日 時 平成13年10月20日(土) 10:00〜18:00
場 所 都市センターホテル コスモスホール(3階)
   東京都千代田区平河町2-4-1 TEL03-3265-8211

10:30 開  会  医療マネジメント学会理事長 宮崎久義
10:40〜11:00
 基調講演@「厚生労働省における医療安全対策への取り組み」   厚生労働省医政局医療安全推進室長 新木一弘
11:00〜12:00
 基調講演A「全病院患者安全管理システム構築指南書」   国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長 長谷川敏彦
13:00〜14:30 シンポジウム(1)     「リスクマネジメントの現状と課題(1)」
    @医師の立場から     武蔵野赤十字病院副院長  三宅祥三
    A薬剤師の立場から   金沢大学医学部付属病院副薬剤部長  古川裕之
    B看護の立場から     愛仁会高槻病院副院長  内藤正子
14:45〜16:45 シンポジウム(2)     「リスクマネジメントの現状と課題(2)」
    Cインシデントコーデイングについて   国立長野病院副院長  武藤正樹
    D分析手法の実際           練馬総合病院長  飯田修平
    Eリスクマネージャー研修について   九州大学大学院医学研究院助教授  鮎沢純子
    F法的側面                三宅坂総合法律事務所弁護士  児玉安司
17:00〜18:00 パネル討論     「実効ある患者安全対策の確立へむけて」
    シンポジストおよびフロアーを交えてのパネルディスカッション
                   (司会)長谷川敏彦 、新木一弘