第22回日本医療マネジメント学会学術総会
会長 三木 恒治
(社会福祉法人恩賜財団済生会滋賀県病院長)
この度、第22 回日本医療マネジメント学会学術総会をみやこめっせ(京都市勧業館)、ロームシアター京都、および平安神宮会館で開催させていただくことになりました。京都市での開催は、第13回学術総会以来、9年ぶりとなります。
本学術総会は当初、6 月26 日(金)・27 日(土)で開催の予定でしたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症拡大防止の観点から、本年10 月6 日(火)・7 日(水)に、延期開催することとなりました。
医療マネジメントにあたっては、情報の管理・分析、その有効活用が大きな課題となっています。なかでも公的医療ビッグデータの活用が重要なポイントになってきました。情報を制するものはマネジメントを制する、その典型例がDPC の開発と厚労省のNational Database(NDB)などの情報公開による分析と活用であると思われます。DPC データの活用の実例としては、クリティカルパスの評価や診療実績、Quality Indicator のベンチマーク比較、評価等々が挙げられます。
今、日本の医療は厚労省の掛け声のもと、地域医療構想の実現と地域包括ケアシステムの構築に邁進しています。地域医療構想では病床の機能分化・連携の掛け声のもとに病床機能報告制度が始まり、2025 年に向けてビッグデータに基づいた予測必要病床数が提示されています。すなわち過剰な急性期病床、足りない回復期病床が指摘され、病院は今、大再編時代を迎えています。その大再編時代のカギを握るのは、データ活用といえます。一方、質の高い医療の提供は、我々医療者の使命です。超高齢社会の進展で、医療のみならず、質の高い医療・介護を実現するため、医療・介護連携も極めて重要な使命になってきました。こうした使命を果たすためには、今まで以上に健全経営の実践は欠かせません。そのためにはデータの分析が必要であり、今まさに大きな飛躍(Leap)をもたらす「病院ビッグデータ革命」の必要性に迫られているといえるのではないでしょうか。
今回担当させていただく第22回日本医療マネジメント学会学術総会で、「病院ビッグデータ革命」の必要性を高らかに掲げ、医療の質向上を目指す学会会員の皆様方とこのテーマについて広く、深く考えたい――。そこからあらたな医療マネジメントの方向性が垣間見えてくるのではないかと思い、今回のメインテーマを「病院ビッグデータ革命~データ活用による「医療の質」「医療・介護連携」の飛躍(Leap)を求めて~」とさせていただきました。学会会員の皆様方のご協力、ご指導をいただきながら、実りのある学術総会になるよう尽力して参りますので宜しくお願いいたします。
末尾になりますが、新型コロナウイルス感染により亡くなられた方、ご遺族に心からお悔やみを申し上げますとともに、現在も闘病中の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。またコロナ対策で日夜献身的な医療を提供しておられる医療関係者の皆様方に、“心よりのエール”を送らせていただきます。
多くの皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
Copyright © 第22回 日本医療マネジメント学会学術総会 All Rights Reserved.