簡略化した根本原因分析法の検討

石川雅彦

国立保健医療科学院 政策科学部

【要旨】
 インシデントやアクシデント報告の分析に使われる根本原因分析法(RCA)は、その実施に数時間を要することが難点であったため、これまで短時間で実行可能な迅速根本原因分析法(RRCA)が検討された。今回、より実践的なRCAの分析方法として、簡略化されたRCA(SRCA)を検討した。この方法は、まず、RCAのチーム指導者または演習担当者が、分析担当者に事例の情報をより詳細に与えるために、前もって事例の発症した現場を視察し、関係者にインタビューをして、その情報を反映させて出来事流れ図の作成を事前に終了しておくことがポイントである。その後、分析チームがグループ作業で根本原因を抽出する。今回、SRCA演習を5グループが、2時間の分析時間で行い、その結果を検討した。得られた対策案では、RCA、RRCAで検討した結果と比較して、これらで策定しなかった新しい根本原因の抽出やそれに伴う対策案が策定された。SRCAは短時間で実施可能な、実践的な分析方法である。