<事例報告>
退院支援に関する医療ソーシャルワーカーと多職種との
連携・協働するシステムづくり
―退院支援経過記録における情報共有の実態調査を通して―
本名雅美
医療法人社団緑成会 横浜総合病院 地域医療総合支援センター
【要旨】
入院患者の退院支援の経過について、医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)は現状を多職種から聞かれることが多く、関連する専門職等からの関心が高いことが伺える。それゆえに、退院支援経過記録を通して、どのように多職種が連携し、情報を共有しているかについて調査研究を行うことには、意義があると考えられる。
本論文の目的は、入退院支援看護師やMSWが発信した退院支援経過記録が、多職種にどのように活用され、利便性や要求を感じているかを調査し、情報共有の実態を明らかにすることである。本研究は混合研究法によって行われ、多職種100名による質問紙調査と、質問紙調査後の検討結果をもとに退院支援の実践過程とその効果を調査するために、脳神経外科病棟看護師6名による半構造化面接法でのインタビュー調査を行った。
結果として、退院支援経過記録は、情報収集と検討に利用され、患者、患者家族の意向や方向性の確認に活用されていた。それにより、退院後の生活の場に向けてリハビリテーションの内容、身体拘束を外すことなど、様々な目標設定に利用されていた。また、入退院支援看護師やMSWだけでなく、病棟看護師からも退院支援に関する経過記録を発信することで、退院支援は多職種の分業ではなく協働であり、退院に向けた専門職同士の連携が図られていることが分かった。