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日本におけるクリティカルパスの普及に関する実態調査報告(第4報)

安浪小夜子1) 田代清美1) 野村一俊2) 武藤正樹3) 坂本すが4)
勝尾信一5) 藤本俊一郎6) 片渕 茂2) 宮ア久義1)

1)特定非営利活動法人日本医療マネジメント学会
2)医療法人朝日野会朝日野総合病院
3)社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ
4)東京医療保健大学
5)特定医療法人千寿会つくし野病院
6)医療法人社団重仁まるがめ医療センター

【要旨】
 日本医療マネジメント学会は、日本におけるクリティカルパスの普及状況を調査するために、2003年から200床以上の約2000病院にアンケート調査を実施し、今般2021年3月のアンケート調査を集計したので報告する。
 回答病院数に対するクリティカルパス導入病院の割合を示す導入率は、2003年に82%だったが2021年には94%となり、18年間で12%上昇した。
 作成・運用されているクリティカルパスの種類が100種類以上の病院は、2021年には60%に、200種類以上の病院も30%にまで増加した。しかし、2021年に患者用クリティカルパスを全種類作成している病院は71%に止まり、インフォームドコンセントの視点から課題として残っている。
 クリティカルパス委員会は、2003年には69%であったが、2021年には91%の病院で開催されていた。しかし、クリティカルパス研究発表会を開催している病院は2005年の57%を最高に徐々に減少し、2021年には34%であった。作成基準を設けている病院は、2003年は52%であり、2012年の72%をピークに伸び悩み、2021年は69%であった。クリティカルパスの評価・見直しについては調査を始めた2018年が79%、2021年は81%と微増していた。
 クリティカルパスの導入目的は調査を進めるに従って変化し、それに応じて導入のメリットも変化した。
 地域連携クリティカルパスを運用している病院は2012年までは急激に増加し、最多535病院に達したが、以後は徐々に減少し2021年は408病院であった。地域連携クリティカルパスを運用している病院数が減少する一方で、運用している病院では件数が増加した。
 電子カルテは2021年には回答病院の96%が導入し、その96%が電子カルテ上でクリティカルパスを運用していた。
 クリティカルパスを作成・運用するなかで、現場では診療科による温度差や中心となる人材育成などさまざまな課題を抱えていることが明らかになった。
 本調査により、クリティカルパスの運用の実態と課題を把握することができた。加えて今後の本学会の果たす役割について重要な示唆を得た。