<事例報告>
看護師が実施する入院前からの退院支援の現状と課題
松本里加1) 谷山 牧2) 保母 恵3)
1) 国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 博士課程 看護学専攻
2) 国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 看護学分野
3) 国際医療福祉大学 保健医療学部 看護学科
【要旨】
本研究の目的は、在院日数短縮により入院前から実施する退院支援の現状や、実施している看護師が認識した効果と課題を明らかにすることである。全国の地域医療支援病院で入退院支援を担う看護師を対象に、無記名自記式質問紙調査を実施した。回答を得られた268病院の約9割が支援を実施していた。支援の効果は、【その人を尊重した看護への回帰】【患者の主体的な治療参加へのいざない】【多職種間の協働介入の強化】【業務の効率化による治療計画遂行】【早期の取り組みが成す円滑な退院支援】が抽出された。課題は、【患者中心の入退院支援の周知と教育】【患者負担を軽減する具体的な支援と評価】【環境改善の組織的な取り組み】が抽出された。看護師と患者双方の意識の変化、連携強化や治療計画遂行の効果は、円滑な退院支援を可能にしていた。今後の課題は、関わる職種への周知と教育、患者負担を軽減する施策と評価であり、患者中心の入退院支援を実施するためには組織的な取り組みが必要である。