<事例報告>
回復期リハビリテーション病棟におけるベッドコントロール支援機能の活用による効果

吉田一平1)2) 半田智宏3) 渡邉志麻子4)

医療法人博俊会春江病院 1)事務部 医事課 2)経営企画部 3)法人本部
4)株式会社ケアコム

【要旨】
 回復期リハビリテーション病棟では、疾患や症状に応じて効果的かつ効率的な日常生活機能の改善が求められている。その一方で、病棟運用の視点から見ると、病棟稼働率維持のためには在棟日数の短縮化に伴う病棟回転率の向上ならびに効率化体制に準じた柔軟なベッドコントロールが必要となる。今回、春江病院にて開発・運用している回復期リハビリテーション病棟入退院支援システムにベッドコントロール支援機能を追加し、当機能を用いた状況把握や多部署による病棟運用検討会を実施した。本手法の運用前後1年間を比較した結果、実施前期間(2018年10月〜2019年9月)80.9±3.2%、実施後期間(2019年10月〜2020年9月)83.6±2.3%となり、病床稼働率の改善と安定化に寄与した(p < 0.001)。当システムによる回復期リハビリテーション病棟のベッドコントロール支援を用いた病棟運用検討会は、稼働状況の予測や支援状況の「見える化」により様々な部門の情報共有を促進し、効率的な病棟運用の一助となった。