<事例報告>
医療施設における結核健診受検職員の継続支援のためのデータ管理用ソフトウエアの開発
青山恵美1)2) 矢野久子2) 長谷川達人3) 大久保 憲4)
1)愛知医科大学看護学部・感染看護学
2)名古屋市立大学大学院看護学研究科・感染予防看護学
3)福井大学大学院工学研究科・情報・メディア工学
4)平岩病院
【要旨】
本研究の目的は、全国の医療施設における結核健診の実態と課題を明らかにし、医療施設内結核健診受検職員の継続支援のための汎用性の高いソフトウエアを開発することである。
全国の医療施設で結核接触者健診の経験がある感染管理認定看護師10名に対し結核健診に関する面接調査を実施した。調査期間は2016年11月25日〜2017年11月23日までである。当該大学の研究倫理委員会の承認を得た。面接結果に基づいて結核健診受検職員の継続支援のためのソフトウエアに搭載するデータ項目を決定し、ソフトウエアの設計を行った。
面接調査の結果、結核発病者の発生に伴い実施された職員の結核健診データが、職員の健康管理に活用できるデータに変換できていなかった。そこで、Microsoft Access2016を用いて発病者情報と接触者健診受検職員情報を紐づけて管理できるソフトウエアを設計した。職員が在職期間中に接触者健診を複数回受検する場合にも、履歴管理が可能とした。各医療施設の接触者健診リスト情報からソフトウエアの項目を決定し、最低限必要な項目を必須入力とし、それ以外は任意入力とし汎用性を持たせた。接触者健診受検職員の継続支援とその評価が可能となると考える。
接触者健診受検職員の継続支援が可能となる汎用性の高いソフトウエアを開発した。医療施設で試用を繰り返し、改善を重ね、実用化を目指す。