喘息教室における服薬マネジメント
岡澤美貴子1) 田中昌代1) 中田栄子1)
折井孝男1) 磯田礼子2) 石原照夫3)
NTT東日本関東病院
1)薬剤部 2)看護部 3)呼吸器科
【要旨】
NTT東日本関東病院では喘息教室において、薬剤師が吸入器具の使用方法と、吸入薬、内服薬の服用方法、および服用時の注意点などについての説明を行っている。今回、喘息教室終了後に行っているアンケート調査とカルテ上の喘息症状に関する記載から、喘息教室における薬剤師の服薬説明について評価した。アンケート調査の対象は2000年に喘息教室に参加した患者81名とした。アンケート回答は74名(91.36%)で、このうち、71名(96.94%)の患者から吸入方法について理解できたという回答が得られた。喘息教室に参加した81名のうち、教室参加前6ヵ月以内に発作を起こした患者52名について、教室参加前後6ヵ月間の喘息症状のコントロール状況について、カルテ調査を行った。その結果、28名(53.8%)に改善がみられ、薬剤師の服薬説明が患者の服薬マネジメントに貢献していることが明らかになった。しかし、残りの46%の患者ではコントロール状況に改善がみられなかったため、患者個々に合わせた服薬説明を実施する必要のあることが示唆された。