<事例報告>
MRIチェックリストの運用状況からみえた安全講習会の定期開催の有用性
栗林武志1)2) 和田梨奈2) 池田 公3)
1)独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 放射線部
2)医療法人純正会名古屋市立緑市民病院 診療技術部 放射線技術科
3)独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 医療安全管理部
【要旨】
地域医療機能推進機構中京病院のMRI検査室にて点滴棒の吸着事故と患者搬送用ストレッチャー上に酸素ボンベを載せたまま入室した事例が発生した。このような吸引、吸着事故を未然に防ぎ安全にMRI検査が行える環境を整える事を目的に、磁場体験を含むMRI安全講習会を定期的に開催し啓発活動を行った。講習会の開催前後においてMRIチェックリスト(検査時に持ち物等の確認を目的とする)の運用状況の調査を行ったが、開催後はMRIチェックリストの運用状況が改善された。さらに講習会の定期的な開催は改善された状況の維持にも繋がった。定期的な講習会の開催はMRI検査を安全に運用するうえで、院内スタッフに対しMRI検査の危険意識の変化に効果的であり、今後も定期的な開催の継続が必須と考えられる。