<事例報告>
安全なカテコラミンのシリンジ交換方法の確立
−4ml充填したオンオフ法−
吉村一徳 田坂美穂子 加藤由紀恵
国立病院機構岩国医療センター CCU/ICU
【要旨】
集中治療室におけるカテコラミン投与患者へのシリンジ交換方法について、先行研究で様々な方法が紹介されている。国立病院機構岩国医療センターCCU/ICUで行っている方法は、2台のシリンジポンプを使用し、段階的に流量を増減し切り替える並列交換であった。しかし、複雑な手技と交換完了までに20分程度の時間を要していた。そこで、中西らの検証で薬液濃度変化が最小限にできることが示された50mlシリンジ使用時に接続チューブへ4ml充填する方法に加え、操作が簡単なオンオフ法を組み合わせた方法が、当病棟が行っている並列交換に比べ、安全なカテコラミンシリンジ交換方法であることがわかった。さらに、使用する三方活栓の種類や、接続位置でのブドウ糖濃度変化の検証を続けた。その結果、開放式三方活栓を使用し、三方活栓への接続を同位置にすることでブドウ糖濃度変化が少なく安定した投与ができた。臨床でカテコラミン投与中の患者に4ml充填したオンオフ法でシリンジ交換を行ったが、交換前後の患者の平均血圧に有意差はなかった。以上のことから、4ml充填したオンオフ法は安全なカテコラミンのシリンジ交換方法であることが示された。