<事例報告>
新人看護師の職業性ストレス尺度とコミュニケーションスキルの1年間の時期的変化とその関連
大重育美
日本赤十字九州国際看護大学
【要旨】
本研究の目的は、新人看護師の職業性ストレスおよびコミュニケーションスキルの時期的な変化、職業性ストレスとコミュニケーションスキルの関連を明らかにすることである。研究方法は、新人看護師35名を対象として、職業性ストレス尺度とコミュニケーションスキル尺度を用いて質問紙調査法を行った。調査時期は、入職後3ヶ月、6ヶ月、11ヶ月の年3回で行った。分析方法は2つの尺度で3時点の変化をFreidman検定で比較し、尺度間の関連性はSpearman順位相関係数を求めた。その結果、職業性ストレスは次第に増加傾向にあったが、コミュニケーションスキルは変化しなかった。職業性ストレスは、コミュニケーションスキルの話のスムーズさとアサーションに関連があった。
以上より、新人看護師は、1年間を通して職業性ストレス尺度は少しずつ高まる傾向があり、会話がスムーズにできない、アサーティブな対応ができなくなる可能性が示唆された。