<事例報告>
電子カルテオーダリングデータを活用した注射薬在庫管理システムの構築
東 禎二1) 山田浩司2)
1)トヨタ記念病院 薬剤科
2)トリオ・システム・プランズ(株)
【要旨】
当院では2003年9月、電子カルテの導入と同時にオートアンプルディスペンサーを用いた注射薬の出庫を開始した。翌年3月よりオーダ(施用)単位ごとの返品入力およびオーダデータと実施データの差分を利用した出庫薬品のアリバイ管理、在庫薬品の補充を開始した。さらに透析システムや放射線システム等の部門システムで使用された注射薬の補充等も連携をとり順次行うようにした。これら消費管理の実施により実施入力漏れや入力忘れ・入力ミスが防止でき、作業や確認にかかわる工数が低減された。
また現場在庫を毎日チェックすることにより、出庫部署単位での注射薬の入出庫管理が実現でき、不正使用・不正持ち出しが予防できる環境が整った。現場の在庫管理がオーダデータのみに基づいていることから、電子カルテどおりの注射施用を裏付けること(カルテの真正性の担保)にもなり、リスク管理にもつながっている。
今回、我々は残された部門システム連携を完成し、注射薬にかかわるすべての手書き伝票を電子化した。これにより現場だけでなく、病院全体の注射薬の入出庫管理を実現できた。またリアルタイムに在庫が確認できることから電子カルテのオーダデータ、実施データを活用した発注データの自動作成、在庫の欠品防止や大規模災害時の在庫把握・備蓄確保などにも応用が可能となった。