電子カルテに関連した医薬品マスタ管理の合理化
−マスタ管理ツールの開発とOAツール利用による効率的運用−


東 禎二1) 梅村 俊彦1) 下川 和輝2) 山田 浩司3)

1)トヨタ記念病院 薬剤科
2)トヨタ記念病院 情報管理G
3)トリオ・システム・プランズ(株)

【要旨】
 医療現場におけるIT化の進展に伴って、電子カルテを始めとして関連する部門システムおよびそのデータベースであるマスタの数も増加している。特に医薬品に関わるマスタ(以下薬品マスタ)はオーダリングシステム、医事システムはもとよりほぼすべての部門システムに関連しており、その不整合は在庫管理だけでなく、安全管理面でも問題となり得る。
 当院では1999年11月物流システムの導入によりそのマスタ管理ツールを用いて物流、医事、オーダリングの3システムについて一元管理を実施してきた。しかし2003年9月の電子カルテおよび関連する部門システムの導入により薬品マスタも増加し、またマスタ情報がタイムリーに各部門に伝わらないことによるマスタメンテナンスの作業遅延が実務医療に支障をきたすことも想定された。さらに当院では電子カルテに連携した薬品在庫管理を目指しており、管理精度の向上が必須課題となっていることからも運用を含めたさらなる改善が必要となった。
 そこで同時期に更新される物流システムのマスタ管理ツールを全面改良し、同時に従来の伝票運用から院内Eメールおよび院内イントラネットの共有ファイルを活用した運用に変更した。結果トータル作業時間と登録完了までの所要日数の実質的な短縮が可能となった。
 本稿では、当時は未解決であった調剤システムとの連携部分が完了したので、その報告をする。