迅速根本原因分析法(Rapid Root Cause Analysis)による
インシデント・アクシデント報告の活用


石川雅彦1)  長谷川敏彦2)

1)国立保健医療科学院 政策科学部 安全科学室
2)国立保健医療科学院 政策科学部

【要旨】
 根本原因分析法(RCA)はインシデントやアクシデントの報告から学び取るためのツールであり、また、医療組織の脆弱性を評価する特殊な方法として知られている。しかし、その分析には時間がかかることが難点であるため、今回、短時間で分析を施行する迅速根本原因分析法の検討を行った。RRCAを実施する者を6グループに分けて、インシデント事例の根本原因の抽出作業を施行してもらい、1時間の時間制限を設定した。1時間後、作業を中止し、事例の根本原因と対策案を発表してもらった。各々のグループでは効果的な対策案が数案策定していた。RRCAは、短時間で必要な結果が得られる効果的な方法である。