<事例報告>
外来における看護補助者へのタスクシフト
−導入から定着に向けて実践したマネジメントを振り返る−


佐藤みゆき 山田眞佐美 吉田美穂
古川玲子  塚崎智美  西野幸子

地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター 内科・外科系外来

【要旨】
 大阪国際がんセンター内科・外科系外来(以下外来)の最優先課題は、看護支援に充てる時間の捻出であった。がん専門病院の看護師として、来院される患者へもっと関わりたいと考えていた。今回、外来において、初めて看護補助者が配属された。1名は病棟配属の経験があり、1名は病院勤務経験が全くない看護補助者であったため、毎日のタイムテーブルを作成し、業務量の習得状況を確認しながら、翌日行う業務の調整を行った。看護補助者を担当する副看護師長を明確にして、看護師からの業務依頼の窓口を統一、毎日の雑談を重視し、看護補助者の悩みを早期に解消し、働きやすい環境づくりに努めた。看護補助者は看護チームの一員であることを看護師全体に伝え、看護師から挨拶や声掛けを行い、関係性の構築に努め、タスクシフトにより看護支援の時間を捻出できた事への感謝を看護補助者に伝えた。看護補助者のキャパシティを見極めながら作成したタイムテーブルの活用により、看護補助者は日々の業務に意義を見出すことができ、正確に業務を遂行できるようになった。看護補助者が働く様子を気にかけ、日々の雑談から問題点を早期にとらえ、業務の追加が可能かアセスメントを行い、看護補助者の意向を確認しながら進める看護補助者の定着に向けた計画的なマネジメントにより、タスクシフトは推進された。