<事例報告>
レセプト請求の質向上のための取り組み〜RPA(Robotic Process Automation )導入によるレセプト作成業務時間の削減〜

児玉礼好

飯塚病院 経営管理部 医事課

【要旨】
 飯塚病院では、医事業務担当者(以下病棟クラーク)が医事業務を中心に幅広い事務業務に対応している。病棟クラークの主業務は診療報酬請求業務の精度向上を図ることであるが、病棟では多岐にわたる業務を同時並行的に行わなければならない。今回、業務効率化の一環としてRPAの活用を検討したので報告する。
 最も時間を費やす「廃用症候群リハビリテーション料」算定業務に着目した。この業務に明確なルールが無く、病棟クラークそれぞれが判断、対応を行っていたため、はじめに業務手順を設定し、次にこの算定に関わるリハビリテーション部門との間で業務整理を行った。
 RPA導入にあたって、他職種で情報共有が容易になるよう、Total Quality Management(以下TQM)の手法である作業分析図を用い作業工程を可視化した。これにより、作業工程の整理がスピーディーに進み、運用ルールとして共有できたことが、RPA導入を円滑にした。
 該当症例の多い診療科からRPA導入を進め、2020年11月より全診療科にて稼働した。新たなルールで順調に運用され年間141時間の業務時間削減となっており、RPAが業務時間の削減に有効であるとの結果を得た。