<事例報告>
メディカルサポートセンター術前検査・持参薬確認業務の運用と評価連

嶺 豊春1)2) 室 高広3) 山口 真美2)4) 田浦 直太5)5) 松本 武浩2)6)

1)長崎大学病院 薬剤部
2)長崎大学病院 メディカルサポートセンター
3)長崎国際大学 薬学部
4)長崎大学病院 看護部
5)長崎大学病院 病床管理センター
6)長崎大学病院 医療情報部

【要旨】
 医療コスト削減および医療安全の面から、持参薬管理の重要性が指摘されている。持参薬として抗血栓薬を服用している患者では、不適切な使用の結果、手術の延期や中止に繋がる。長崎大学病院では、以前より入院患者の持参薬確認業務および電子カルテ内での持参薬一元管理を行ってきた。2014年から、より安全な手術運用を目的に、既存のメディカルサポートセンター(以下、 MSC)にMSC術前検査部門が新たに付加され、医師の包括指示に基づく看護師主導の術前検査業務に従事している。部門内で薬剤師は持参薬確認業務を担当している。今回、MSC術前検査運用の介入前後で、インシデントレポートシステムにより報告された事例のうち、術前休薬が適切に行われていなかった持参薬関連インシデント事例(以下、関連インシデント)を調査した。MSC運用開始後、関連インシデントはMSC術前検査対象科で減少傾向が認められ、手術中止・延期もしくは入院延期に至る発生件数は、MSC術前検査介入により0件に抑えられていた。術前からの持参薬確認業務の介入により術前休薬を適切に実施可能とする運用体制が確立できたと考える。