<事例報告>
外来での在宅療養支援カンファレンスの実施に向けた体制づくりのプロセス
佐々木美瑠1) 田口敦子2) 松永篤志3) 山内泰子4) 山内悦子4) 永田智子2)
1) 東北大学医学部保健学科看護学専攻
2) 慶應義塾大学看護医療学部
3) 東北大学大学院医学系研究科公衆衛生看護学分野
4) 東北大学病院看護部
【要旨】
近年、医療現場において外来のニーズは多様化し、外来看護師による在宅療養支援はより重要性を増してきているが、その実施頻度は少ない。そこで本研究では、在宅療養支援の実施には外来でカンファレンスを行うことが有用とされているため、アクションリサーチの手法を用いて、外来での在宅療養支援カンファレンスの実施に向けたプロセスを記述することを目的とした。記述期間は2016年5月〜2018年8月であった。プロセスでは、まず、研究者は外来でのカンファレンスの実態を把握した上で在宅療養支援カンファレンスマニュアルを作成し、一部の診療科で試用してもらった。次に、研究者は外来看護師と共に在宅療養支援カンファレンス推進ワーキンググループの立ち上げを行った。その後、研究者と外来看護師が模擬カンファレンスの実施や課題の共有を経ることによって、外来看護師が主導でワーキンググループを運営するようになった。これらにより、カンファレンスの効果的な実施に向けて、看護師の技術習得、情報収集シート等のツールやカンファレンスマニュアルの重要性が明らかになった。