<原 著>
新人看護師の首尾一貫感覚(sense of coherence)と
性格特性との関連


児玉悠希

日本赤十字秋田看護大学

【要旨】
 本研究の目的は新人看護師の首尾一貫感覚(sense of coherence,SOC)と性格特性との関連を明らかにすることである。対象は全国の新人看護師1,280名とし、郵送法にて質問紙調査を行った。調査内容は対象者のSOCとその構成概念(把握可能感、処理可能感、有意味感)、性格特性である。測定は13項目SOCスケールとTIPI-J (Ten Item Personality Inventory)を用いて行った。分析は相関分析と重回帰分析を用いて行った。結果として、有効回答数は301であり、有効回答率は23.5%であった。SOCと性格特性との相関関係では全ての性格特性との間に相関関係を認めた(p<0.01)。重回帰分析では神経症傾向がSOCに最も強い影響を示した(β=-0.364)。SOC構成概念への影響では、勤勉性が有意味感に最も強い影響を示した(β=0.288)。さらに協調性、外向性が全てのSOC構成概念に有意な影響を示した。全国の新人看護師のSOCと性格特性との関係では、神経症傾向が低いほどSOCが高く、勤勉性が高いほどSOCと構成概念の有意味感が高いことが示唆された。また、外向性、協調性などのコミュニケーションに重要な性格特性が高いほどSOCが高く、全てのSOC構成概念も高いことが示唆された。