<事例報告>
中堅看護師の看護実践からみた急性期病院における看護の機能

木戸倫子 井上智子

大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻

【要旨】
 本研究は、中堅看護師の看護実践から急性期病院における看護の機能を明らかにすることを目的とした。急性期医療を提供する病院に勤務する看護師長5名と中堅看護師24名を対象として、日々の看護実践の具体的な内容について半構成的な面接調査を行った。看護師長への面接では、所属部署でロールモデルと認めている中堅看護師の看護実践について聞き、中堅看護師への面接では、日頃自分が行っている仕事の内容や工夫について振り返りの形式で聞いた。面接で得られた逐語録を生データとし、類似するものを順次まとめる段階を経てカテゴリー化した。結果、中堅看護師の看護実践は14の役割に分類された。14の役割内容から急性期病院における看護の機能は【診療計画の適用を管理する機能】【人材を育成する機能】【チーム医療を推進する機能】という3つが示された。急性期病院の医療の質を左右するこの機能が果たされるためには役割を分担しながら継続した看護ケアを提供することが必要である。