<事例報告>
日病薬誌・医療薬学誌におけるコンピューターシステムによる
がん化学療法関連業務の支援に関する研究論文の調査


中島誠1)2)3) 杉山正3)

1) 鹿児島市医師会病院薬剤部
2) 国立病院機構長良医療センター薬剤科
3) 岐阜薬科大学実践社会薬学

【要旨】
 がん化学療法に関連した処方、監査、混合調製を支援するために構築されたシステムにて支援可能な業務内容を明らかにするために、2001年〜2011年に発刊された医療薬学誌、日本病院薬剤師会雑誌に掲載されたシステムに関する論文を調査した。また、オーダリングシステムとのデータ連携の有無による機能を比較するために、データ連携の有無により論文を2群に分けた。オーダリングシステムと連携した論文報数、連携していない論文報数はともに各21報であった。薬剤師による処方監査の支援システムと抗がん剤の調製の支援システムに関する報告は、オーダリングシステムとの連携の有無どちらにも同等に見られたが、連携していない論文においては、監査時間の短縮をアウトカムとして示した論文が多く見られた。一方、処方支援に関しては、オーダリングシステムと連携した支援システムが多数報告されており、医師業務を支援するためにはオーダリングシステムと連携した支援システムを導入する必要があることが示唆された。