<事例報告>
データウェアハウスを活用した褥瘡管理システム導入と利用者評価

川本俊治 田村 律 松田守弘

国立病院機構呉医療センター 医療情報部


【要旨】
 今回、我々は電子カルテに入力された様々な情報をデータウェアハウス経由で活用する褥瘡管理システムを構築したので、その利用者評価を明らかにする。
 入力項目は栄養評価項目や患者ADL項目などをフィジカルアセスメント項目として標準化し、電子カルテの患者基本情報に組み込んだ。褥瘡管理システムの機能は褥瘡リスクスクリーニング、褥瘡リスク管理、褥瘡治療管理で構成した。褥瘡リスクスクリーニングはデータウェアハウスより該当項目を抽出し、診療計画書を作成した。褥瘡リスク管理では褥瘡リスク、疾病、身体情報を表示した。褥瘡治療管理ではDESIGNを使った褥瘡評価と褥瘡局所写真の登録を行った。
 システム稼働後半年時点で、看護師経験5年以上の242名を対象として利用者アンケートを実施した。その結果、褥瘡管理システムは利用者にとって「改善」と「やや改善」の評価比率は80%、「褥瘡ケアに対する意識」は95%が「改善」/「やや改善」と評価した。
 以上から、データウェアハウスを活用した褥瘡管理システムは、利用者の利便性が向上し、褥瘡への意識を向上させた。